【声】ささやきプロジェクトにたずさわる富山県内の人物をご紹介します。

「富山のみんなでつくったおみやげです」

——ささやきプロジェクトでの松田さんの役割はなんですか?
「ささやきコーヒー」のパッケージやリーフレットの企画を担当しています。企画というとあいまいな言い方になりますが、「どんなお客さんを想定して、どんなふうに商品を見せるか?」を考えてかたちにする仕事です。
 このウェブサイトの文章なども基本的にはわたしが書いています。写真もカメラマンさんにわたしの自宅に来てもらって撮りました。なので、うちのダイニングテーブルやマグカップが写っています(笑)。
——大変だったことは?
「富山の仕事をいつかはやりたい!」と思っていたので、楽しい経験が多くて、そんなに大変なことはありませんでした。
 でも、箱(パッケージ)がイメージ通りに仕上がっているかどうかドキドキしました。以前は雑誌の編集部にいたので、ふろくや本屋さんに置く平積み台はつくったことがあったのですが、こういう立体物ははじめてです。箱屋さんや印刷屋さんにいろんなことを教わりながら、みんなのこだわりの詰まったものができたと思います。
 あと、笹の撮影ってすごくむずかしいんですよ! すぐに葉っぱがしおれて丸まってしまうので、水につけておいて撮影する瞬間だけタオルでふいてセットするようにしました。
——ささやきコーヒーを飲んでみてどうですか?
 最初はふしぎな味だと思ったんですよ。でも2杯、3杯と飲むうちにぜんぜん普通のコーヒーと違う!ってことがわかってきて。独特のさわやかな香りがあって、変なコーヒーくささがまったくないんです。色は黒いけれども、すっきりとしてまろやかですよ。
 じつはカフェインが苦手なのですが、この竹炭入りのささやきコーヒーはまったく気にならずに飲めます。竹炭の効果らしいですよ。コーヒー好きな人にこそ試してみてほしいなと思います。
——一緒に働いている人たちについて教えてください。
 ささやきコーヒーだけでも、開発した富山県立大学さん、コーディネーターの山田さん、コーヒー豆専門店のセントベリーさん、コーヒーの販売元であるセブンラックカフェさん、箱を印刷する北陸芯板さん、リーフレットを印刷する二口印刷さん、ウェブ制作のビーラインさん……などなど、いろんな人が関わっています。
 みなさん、「富山が好きだ!」「あたらしい富山のおみやげをつくりたい!」という愛がベースにあるので、すごく楽しいなぁ、と思いながらお仕事させていただきました。
——松田さんの地元は高岡市で、この竹の採れる射水市ではありませんよね。黒河の竹林のことは知っていましたか?
 いえ! はずかしながらささやきプロジェクトに関わるまで、知りませんでした。わたしの住んでいた高岡からは、春になると氷見市の西田(さいだ)のたけのこ料理をよく食べにいっていました。黒河と西田が富山の竹のツートップだそうです。
 黒河の竹林は西田とはちがって、山じゃなくて平地なんですよ。平たい場所にひろびろと竹がならんでいて、光が差し込むととてもきれいです。他にはない眺めですよ。春にはたけのこ掘りイベントなども行われているので、お近くの方にはおすすめです。
——射水市の思い出はありますか?
 黒河のちかくの太閤山ランドには、小学生のときによく連れていってもらいました。太閤山ランドのプールはほんとに楽しかったです。いま思うとなんであんなに楽しかったのか!というくらい。こども未来館の室内アスレチックも最高でした。
 小学校5年生のときにJET(ジャパンエキスポ富山)という謎の博覧会が太閤山ランドで開かれて、何回もいってココナッツジュースを飲んだり恐竜の下敷きをもらったりした思い出があります。あれは小学生にとっては狂喜乱舞するほどの楽しさでした。
——いまは東京におすまいですよね。外から見た富山ってどんなところですか?
 大学に入るときに東京に出て、そのままそこで就職して結婚してしまいました。もう十五年くらい東京にいます。東京にいるとすごく肌が乾燥するんですよ。富山に帰るとみんな肌が白くてきれいなので、富山はいいなぁと思います。美肌県ですよね。
 富山はいいところがいっぱいあると思います。お魚もおいしいし、立山も大きいし。もっとアピールしたらいいのに!と思う一方で、あんまり変わらないでほしいのでこのままでいいとも思います。たぶん、PRはヘタな県なんじゃないでしょうか(笑)。
——富山のどんなところが好きですか?
 富山弁だと感情が伝えやすいので、それがいちばん好きです。妹とLINEでしゃべるときはぜんぶ富山弁で打っています。あとはとろろ昆布の種類が豊富なところ、水道水のおいしいところも大好きです。あと獅子舞の招待花も好きです。
 最近は帰るたびに高岡駅前のさびれ具合がひどくて、むかしはなかったセブンイレブンとか吉野家とか全国チェーンのお店が増えているので心配になります。わたしが高校生のころは、ユニクロとサティくらいしかなかったんですけど。
 北陸新幹線ができるので、これまで富山に来るきっかけのなかった人にも、おいしいお魚を食べにきてもらえるようになるといいなと思います。立山の弥陀ヶ原なんかも散策するときれいですよね。

松田ひろみ

(編集者・東京在住)

富山県高岡市出身、東京在住。東京大学文学部卒業後、株式会社リクルートを経て独立。マーケティング、プランニングから編集まで手がける。実家がすし屋(伏木の幌馬車の隣りの末広)だが、酢飯が食べられない。

松田ひろみさん

松田ひろみさん

(編集者・東京在住)

「富山のみんなで
 つくりました」

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